小学校 2026年1月(第151号)
【附属小学校】あなたも街の「社会資源」です。 ー小さな関わりから始まる地域の未来づくりー

聖徳大学の川口一美先生をお招きし、少子高齢化が加速する日本の現状と、地域社会で求められる「支え合い」の在り方、そして教育現場が担うべき役割についての講演が行われました。(11月12日実施)

日本の65歳以上人口が30%近くとなり、人口ピラミッドが「棺桶型」へと変貌する中、労働力不足や限界集落化といった深刻な課題が浮き彫りになっています。川口先生は、こうした状況下で不可欠なのは「福祉を弱者支援と限定せず、全員が安心して暮らすための仕組み」と捉え直すことだと強調されました。

特に重要となるのが、日本国憲法第25条が保障する生存権の視点です。福祉サービスは待っているだけで届くものではなく、自ら助けを求めて手を挙げることで初めて動き出す仕組みになっています。そのため、困ったときにどこへ相談すべきか、どのような公助・共助のシステムがあるのかを、誰もが「自らの権利」として正しく学ぶ福祉教育が不可欠です。子どもたちや地域住民がこの知識を持つことは、孤立を防ぎ、誰もが安心して暮らせる地域社会を構築するための強力な土台となります。

また、認知症への正しい理解や、個々人のライフヒストリー・特技を地域の「社会資源」として還元する視点も示されました。たとえ寝たきりであっても、窓から子どもを見守ることが地域の防犯に繋がるように、誰もが役割を持てることが紹介されました。

教員には、子どもたちが将来の支え手となるよう、エコマップ等の活用を通じた地域交流や、小さな関わりが日本の財産になることを伝える役割が期待されます。本講演は、学校と地域が連携し、互助の精神を育む重要性を再認識する貴重な機会となりました。

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