原田 義也 先生
学科 総合文化学科、(人間栄養学部と兼務)
主な担当科目 キャリア実践演習
勤務期間 2004年~2012年
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総合文化学科の初代学科長である原田義也先生は、有機化学をご専門とされ、東京大学、千葉大学、聖徳大学の教授を歴任されました。ご定年後には、それぞれの大学で名誉教授に就任されています。
ご専門の分野では、教科書や専門書を多数執筆されました。たとえば、『化学熱力学(修訂版)』『統計熱力学』『量子化学』(以上、裳華房)、『生命科学のための有機化学Ⅰ・Ⅱ』(東京大学出版会)などが挙げられます。また、1984年には化学学会学術賞を受賞されました。日本化学会は明治11年に創設され、会員数約2.3万人を擁する国内最大の化学系学会とのことですので、その学術賞を受賞された原田先生が、いかに優れた研究をなさっていたかがうかがえます。
このように著名な研究者である原田先生は、聖徳大学では人間栄養学部の教授を務めると同時に、短期大学部生活文化学科の学科長として学科を牽引されました。さらに、生活文化学科と文学科が統合して総合文化学科となってからは、初代学科長として長きにわたり学科をまとめてくださいました。
総合文化学科は小規模な学科ではありますが、文部科学省のプロジェクトに採択されて補助金を頂く機会が何度かあり、新しい取り組みを積極的に実践してきました。最初に採択されたプロジェクトは、平成18年度の現代的教育ニーズ取組支援プログラム「実践的総合キャリア教育の推進」でした。採択にあたっては、申請書や面接ヒアリングによる審査があり、学内にプロジェクトチームを編成して準備を進めました。この際、原田先生が面接ヒアリングで、圧巻の説得力あるご説明をされ、同席した教員が、「さすがは原田先生!」「原田先生、かっこよかった!」と話していたことが、強く印象に残っています。
なお、総合文化学科では残念ながら化学の授業はありませんでしたが、「数的理解」の授業をご担当くださり、進度の速いクラスを受け持ってくださいました。原田先生から数学を学べた学生は、まさに幸運だったと言えるでしょう。
原田先生は常に温厚で、怒っている姿を見たことがありません。仕事の割り振りも非常に巧みで、色々な先生方に適材適所で仕事を任せつつ、万が一何かあった際にはご自身が責任を取るという姿勢を貫かれていました。会議が非常に短時間で終わることも特徴的で、無駄なく時間を使い、効率的に成果を出すというスタンスを徹底されていたように思います。
忘年会などの場面では、少し顔を赤らめながら、にこにこと楽しんでおられた先生の姿が印象に残っています。そうした柔らかな一面も含め、原田先生はまさに理想的なリーダーでした。自由で居心地のよい雰囲気の総合文化学科の礎を築いてくださった先生のご功績に、改めて深い敬意と感謝の念を抱いております。
( 総合文化学科 教授 蓑輪裕子)
