毒蝮三太夫先生

毒蝮 三太夫 先生

学科 社会福祉学科

主な担当科目 自然・社会・科学技術を考える(社会領域)

勤務期間 1999年~現在

Episode

 テレビやラジオ等でお馴染みの毒舌ぶりで有名な毒蝮三太夫先生。毒蝮先生が、本学の客員教授として社会福祉学科で講義されてから25年が経ちます。現在も、これから介護・福祉の現場で活躍していく学生たちへ、熱く想いを伝えてくださっています。

私が、初めて毒蝮先生の講義を受講したのは、16年前になります。当時は、他学部との合同で大教室が満席になるくらいの大人数での講義でした。毎回講義後に振り返りのレポートを提出するのが大変でしたが、ある講義のときに、私が提出した「あなたの介護観」についてのレポートを取り上げて読んでくださいました。その時、未熟な学生の私の介護観を理解してもらえたことを今も嬉しく思い出しています。

卒業後介護福祉士として介護施設に勤めた後、専門学校の教育現場を経て、現在私は教職員の一人として母校へ戻り、介護福祉士の養成教育に携わっています。

大学に戻ってから、特に印象に残っている講義があります。毒蝮先生が学生に、「あなたは、認知症の人の世界観を壊さないためにどうような支援を行いますか」と問いかけました。その問いかけに私は、当時担当していた重度の認知機能の低下がみられるAさんのことを思い出しました。その方は、大きい声で「バカ」や「デレスケ」などの暴言や暴力等の行為があり、現場スタッフも頭を抱え、どのようにして落ち着いた生活を送ってもらえるのか、支援を試行錯誤していました。毒蝮先生は、学生に向けて「自分たちが名俳優として、その人の世界観に入って演技し、言葉や言動を表現、伝達することが大切である」とおっしゃいました。それは、利用者と介護者が傷つかないためのコミュニケーションの一つに相手の世界観を理解するための演技が必要であることに気づいた瞬間でした。
こうして再び、毒蝮先生の講義をお聴きして思ったことは、先生の「ことば」には“介護”を“快護”にすることば(コツ)が隠されていることです。

私が10年以上も経ってから気づきがあったように、先生にはこれからも、介護・福祉の現場で活躍していく学生や卒業生たちに向けて、毒蝮流のことばを伝え続けていただきたいと心から願っています。

(社会福祉学科 助手 和田 早織)