杉本 幸子 先生
学科 総合文化学科
主な担当科目 ファッション造形実習
勤務期間 2002年~2025年
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杉本幸子先生はファッション造形がご専門で、長らく杉野学園ドレスメーカー学院(通称ドレメ)で教鞭を取られた後、本学に着任されました。ドレメでは、院長の杉野芳子先生と共に、たくさんのモデルさんたちを引き連れて、地方の関連校で行うファッションショーに出向かれたそうです。本学では、ファッションの専門科目「ファッション造形実習Ⅰ・Ⅱ」「アパレル設計・生産実習」「パターンメーキング」「卒業制作」等々の授業を担当なさっていました。
いつもファッショナブルで姿勢がよく、颯爽としたスタイルをなさっていたこともとても印象に残っています。研究室のロッカーには、たくさんのお洋服が掛けられていて、授業ごとに学生の実習内容に沿った洋服にお着換えをされて、授業に臨まれていたそうです。また、根っから教えることがお好きな先生は、社会人向け講座(SOA)でも、帽子やドレスの講座を担当なさっていました。ドレスの初級クラスの受講生の方が杉本先生のファンになり、中級、上級へと専門技術が進み、途中からこの講座には入るのが困難なほど人気の講座でした。
ご専門の分野だけでなく、様々な分野においてとても凝り性で、一流になるまでなさるのが杉本先生です。折り紙も先生をなさるほどお上手で、干支や「矢切の渡し船」など、オリジナルな作品を作ってプレゼントしてくださることもありました。スキーも一級かつ指導員の資格も持っておられると伺いました。それから旅行がお好きで、国内外の衣料管理士研修旅行によく参加されていました。特にベトナムがお気に入りのようでした。
学外研修に行った際の思い出もいろいろあります。よく山歩きをされるそうで、志賀高原に行った際には、フットワークも軽く、山歩きを知っている方の歩き方をされていました。研修施設の部屋にはお茶のセットがありましたが、いつもお茶を入れてくださるのは杉本先生で、大御所の先生のお気遣いに恐縮してしまいました。
杉本先生は、常に気丈で前向きで、日々を楽しんでおられて、その姿勢は学生たちに大きな影響を与えてくださいました。先生のご指導のもと、学生たちは洋服を作る技術だけでなく、洋服作りの楽しさや奥深さを学び、ものづくりへの情熱を育むことができたのではと思います。
杉本先生は、昨年、92歳でご逝去されました。突然のお別れでしたが、凛とした先生のお姿が偲ばれます。
( 総合文化学科 教授 蓑輪 裕子、兼任講師 菱沼 久恵)


