都築忠義先生

都築 忠義 先生

学科 児童学科

主な担当科目 臨床心理

勤務期間 1973年~2015年

Episode

都築忠義先生は、児童学科児童心理コース(以前は発達臨床心理コース)の教授で、臨床心理学の研究者であり、かつ、臨床家としても医療現場で活躍されていました。大学の授業では、たとえば、三年次ゼミは心理検査結果の読み取りを中心とした事例研究を徹底して行う、など、せっかく心理学を学ぶのだからと、実際に子どもの心理支援に役立つ力の育成に尽力されました。大学院でも、資格を目指して週1回近隣の小学校で実習して来る院生の心理支援実習報告会議を、数人の教員とともに、適切に運営されていました。それは金曜夜6限に毎週、都築先生からの鋭い質問に答えなければならないため「魔の金六」と名付けられていました。最近では都築先生のように院生の報告に鋭いメスを入れることが我々教員にできていないと反省しきりです。本当に心から子どもの心理支援のあるべき姿を追求し続けておられる先生でした。そんな厳しい面もありましたが、いたって優しく、あたたかく話を聴いて下さる、素敵なカウンセラーというのが私の都築先生像です。

私は都築先生のおられた短期大学部初等教育学科に、その閉じる直前の平成10年に入職しましたが、当時知り合いもなく寂しく思っていたところに、都築先生が同じ方面の研究者だからと声を掛けて下さり、次の年一緒に児童学科に移籍した後も、何かと気に掛けて頂きました。

平成25年10月にイギリス研修に一緒に参加させて頂いた時のことです。都築先生は食欲が少し減ってしまった様子で、日本の味が恋しいと嘆いておられました。それを見てクラスの学生が日本から持参した味噌汁をお湯で溶いて差し出したのを、感謝しながらおいしそうに味わっておられた都築先生の姿、学生達のその時のあたたかな笑いが忘れられません。学生達を大切に想う先生だからこそ学生達からとても人気でした。その1年後にクラスの学生の卒業と同時に退職されましたが、この後も近くで臨床をやっているからねとおっしゃっていたので、またお会いできる日もあるかと楽しみにしています。都築先生、どうぞお元気でご活躍下さい。          

(児童学科 教授 東原 文子)