不破章夫先生

不破 章夫 先生

学科 総合文化学科

主な担当科目 インテリア設計製図

勤務期間 1995年~2018年

Episode

不破章夫先生は、本学では珍しい建築家の先生です。総合エンジニアリングを手掛ける会社で国内外の大きなプロジェクトに参加なさっていたほか、軽井沢の別荘など、個人の建物も設計されていました。本学で教鞭を取っておられた際は、旧生活文化学科の空間デザインコースやその後の総合文化学科インテリアデザインコースなどで、設計製図やインテリア計画等を担当されていました。俳優のリリー・フランキーさんに似た風貌で、隠れファンも大勢いました。

凝り性で多才な不破先生。聖徳祭の教員の作品展示では、旅先で書き溜めた街や建物の情緒あふれるスケッチを出品されていました。趣味のワインではワインエキスパートの資格をお持ちで、SOA(社会人向けの公開講座)でもワイン講座を担当なさっていました。残念ながらコロナ以降、講座は終了となりましたが、今でも受講生の皆さんとの繋がりが続いておられるそうです。

さまざまな場面でリーダーシップを発揮なさり、学生たちの実力をぐんと引き上げてくださる先生でもありました。総合文化学科では学生の基礎学力を向上させるために独自の数的理解の授業を開講していますが、不破先生が作ってくださったテキストは就職試験にも役立つと学生から大好評で、今でも使用しています。先生のご指導の下、学生が飛騨高山の家具デザインコンテストで入賞したこともありました。

びっくりしたのは、志賀高原の際のクラス交流会です。毎年恒例のこの会では、最後に先生方が講評をすることになっています。ある年、講評担当になった不破先生は、みんなが出し物を見せてくれたお礼に、自分もみなさんに出し物を披露したいと、一人芝居を始めました。おもむろに椅子を一脚、舞台に用意して、一人で座ってお茶を飲む不破先生。シーンと静まり返る会場。そこで不破先生が湯呑を手にひと言。「ユー・ノー・ミ―?(You know me?)」。想定外のダジャレが飛び出し、会場全体が爆笑の渦に包まれました。

茶目っ気があり、いつもアクティブな不破先生ですが、ご家族のために、毎日料理当番をなさるハートフルな先生でもあります。最終講義では、学生たちに、「自分の人生は自分でデザインするように!」と温かいエールを送ってくださったこともとても印象に残っています。

( 総合文化学科 教授 蓑輪 裕子)