川並 光昭 先生
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光昭先生は、実父である学園創立者川並香順先生と兄にあたる故川並弘昭前理事長と共に幼児教育を担う教育者養成に尽力し、内部組織の充実に努め、学園の発展のために身を粉にして活躍してこられました。
昭和63年、聖徳学園短期大学附属教員保母養成所長(現聖徳大学幼児教育専門学校長)に就任以後、知識や技術のみならず教養を身に付けた人間味あふれる保育者の育成を目的として、さまざまな保育学の質的向上に強い指導力を持って臨まれました。今日まで約50年にわたって実施されている「保育表現研究発表会」は「和」を体得する上で欠かせない行事となっており、光昭先生のご指導が光彩を放っておりました。また、学生部長として学外研修を統括し、ほぼすべての研修に同行・引率され、緻密な計画で進め、今日に至るまで無事故で運営するための基礎を築かれました。
こうした学園の伝統行事が脈々と受け継がれてきた背景には、団体行動における教育的効果が非常に大きいという光昭先生の信念が浮き彫りにされています。光昭先生は、常に学生・生徒らに寄り添い、厳しくも温かい目で見守り、時には自ら小道具を用意して茶目っ気のある悪戯で周囲を和ませ、「みっちゃん」の愛称で学生たちから親しまれていました。ご息女を病にて若くして亡くされた悲しみから、とりわけ学生の健康面について気にかけてこられ、学外研修や卒業式のはなむけなど、機会があるたびに健康管理や早期受診の大切さを説いておられました。
教育への信念と情熱を絶やすことなく、学園の礎を築いてこられた故人の生前のご功績を偲び、教職員一同、心から哀悼の意を表します。
(東京聖徳学園 学園報 26年1月号 VOL44 No.2 第555号 平成26年1月26日発行 「学生に寄り添い生涯を「和」の精神に捧げた」 より)