榎本 麻里 先生
学科 看護学科
主な担当科目 成人看護学援助論Ⅰ
勤務期間 2014年~2024年
- Episode
榎本先生は、12年前の看護学部開設の年に着任され、学部の発展の礎を築かれた名物先生です。先生は、本学部の教育の質向上や学習成果の可視化・体系化に向けた取り組みにご尽力され、ナーススチューデント認証式、センパイトークDAYなどの行事を企画し洗練されてこられました。加えて、国家試験対策の支援や就職実績の向上、看護学部の魅力をアピールする広報戦略など、そのご功績は挙げきれないほどです。
そのような中でも最大の「名物」は、「学生への熱い指導」ではないでしょうか。授業で教壇に立つときはいつも前のめり、実習では学生をグイッと持ち上げ、学生の持つ力を伸ばします。学生が患者さんとの関わりで落ち込んでいるときや、学生自身の態度を振り返ってもらいたい場面などでは、時には目を真っ赤にしながら切々と学生にお話をされます。間違いなく学生の心に響いていたと思います。
今でも忘れられないエピソードがあります。開設後数年たった頃だと思いますが、榎本先生が科目責任者として担当しておられた成人看護学援助論Ⅰ(旧カリキュラム)の初回授業での出来事です。学生は事前に売店で教科書を購入して初回の授業に臨むことになっていました。ところが、初回授業にきちんと教科書を持参したのはわずかな学生のみでした。その状況を目の当たりにされた先生は、「授業に臨む姿勢ができていない」「授業は学生と教員の相互作用によって成り立つ。皆さんの準備ができていないのであれば今日は授業をしない」とお叱りになり退室されてしまわれました。周りにいた教員が慌てたのはいうまでもありません。教員の中には今から売店から教科書を運んでこようかと考えた人もいたほどです。その後は、もちろん補講として講義はされたのですが、その冒頭では「看護師として患者さんの前に立つ皆さんには、受け身ではなく主体的に物事を考え取り組むことの大切さを理解して欲しい。自分の態度が相手にどのような印象を与えるのかが社会では問われるのでわかって欲しかった」と熱く語られました。
榎本先生の「学生への熱い指導」は、卒業生たちの記憶にも強く残っていることでしょう。臨床で看護師として自律して患者さんの前に立ち、病を患う人に真摯な態度で関わる姿勢を育くんでいただいたと思います。
榎本先生は、卒業生にとっても、榎本先生と一緒に教育に携わった私たち教員にとっても、聖徳大学看護学部を代表する熱血「名物先生」です。
( 看護学科 教授 西田 三十一)


