佐々木 美奈子 先生
学科 社会福祉学科
主な担当科目 形態別介護技術
勤務期間 1988年~2010年
- Episode
介護の核を教えてくれた大切な恩師、佐々木美奈子先生
佐々木美奈子先生は、私にとって短大時代の担任であり、その後介護福祉士教育の先輩・同僚でもあった先生です。
学生時代の思い出は、とにかく小柄なこともあってか「かわいらしい人」につきます。よく笑い、クリっとした目で首をかしげて尋ねる姿などから、私たちは、「佐々木先生」というより、陰で「美奈ちゃん」と呼んで親しんでいました。
いろいろ思い出がある中で一番の思い出は、卒業式に、介護の先生方が書かれた本『介護福祉実習指導』をクラス全員に1冊ずつと、それぞれにメッセージカードを渡してくれたことです。そこには、在学時に学んだ『介護過程』が書いてあり、先生方の介護に対する熱い思いを添えて渡されたことを覚えています。更に佐々木先生からは、「介護福祉業界の雑誌を1冊でもいいから毎月読むこと」とも言われたことも。
短大を卒業して、介護福祉士として働いたのち、私は2000年4月に、縁があって母校へ助手として戻ってきました。勤め始めたころに佐々木先生から「いい方は悪いけど、貴方は私たちの作品なのよね」と言われたことがあります。その時は「へ~、そうなのか」と思いましたが、今ならわかります。先生が心血注いで育てた学生たちが、現場に出てどう花を開かせ、活躍しているのならそれは教員として最も嬉しいことだと思うからです。
昨年11月に、佐々木先生は90歳でお亡くなりになりました。なぜ私をこの大学に呼び戻してくださったのか、もう聞くことはできません。
卒業式にくださったメッセージカードには、『あなたの発想のよさはいつも感心していました。その発想力を介護にも生かしてください』と書かれています。今回この文章を書くにあたり、久しぶりに見た佐々木先生の懐かしい文字でした。あれから20年近く、教員として学生と関わってきました。私は今もなお、介護の仕事は奥が深いと思いますし、面白い仕事だと思っています。その考えを形作ってくれたのは、介護の先生方だと思います。
佐々木先生、あなたの作品は、あなたがよしと思う様に発揮できていますか?これからもほめてくださった発想力を活かしながら、先生の教えを受け継ぎ、介護に対する考えや思いを伝承していきます。
(社会福祉学科 教授 池田 静香)