バウム 百桃
保健師
看護学科卒業/2024年
- 聖徳を選んだ動機
- 私は一度、大学受験に失敗し、地元の看護専門学校に進学しました。専門学校で学ぶ中で、看護の奥深さや広がりを実感し、「もっと幅広い知識と視野を持ちたい」「将来の可能性をさらに広げたい」という想いが強くなっていきました。3年次編入も検討しましたが、自分の意志で一から大学を選び直すことに意味があると感じ、再び大学受験に挑戦することを決意しました。聖徳大学を選んだのは、以前参加したオープンキャンパスでの印象がとても良かったからです。教員の方々のあたたかな雰囲気や、学生一人ひとりに丁寧に向き合う姿勢に触れ、「ここなら安心して学べる」と強く感じました。また、特待制度の存在や駅からのアクセスの良さ、整った設備や学習環境にも魅力を感じました。もう一度自分の意思で進路を選び、納得のいく学びを得たい。その想いに応えてくれる場所として、私は聖徳大学を選びました。
- 学生時代の思い出
- 学生時代の一番の思い出は、大学3年次に行った臨地実習です。コロナ禍の影響で、すべての実習を現場で行うことはできず、「コロナなんてなければよかったのに」と悔しく思うことも何度もありました。一部の実習は、学内にある機能シミュレータ(患者ロボット)を使って行われました。現場とは異なる環境に最初は戸惑いもありましたが、工夫されたプログラムのおかげで、実習を進めるうちに不安は消え、現場に近い形で多くの学びを得ることができました。この経験を通して、どんな状況でも臨機応変に対応する力や柔軟な考え方を身につけることができたと思います。そして何より、同じ目標を持つ仲間たちと支え合いながら実習を乗り越えたことは、今の私の原動力になっています。コロナ禍という制約の中だからこそ、「当たり前の環境で学べることの尊さ」や「支え合うことの大切さ」を強く実感できた、かけがえのない経験でした。
- 思い出に残っている授業や先生
- 思い出に残っている授業は、4年次に受けた「看護研究」です。臨地実習などで感じた疑問をもとに研究テーマを設定し、担当の先生とともに研究計画書を作成する授業でした。私がテーマに選んだのは、実習中に心に引っかかっていたことでしたが、最初はうまく言葉にすることができず、悩む時間も多くありました。そんな中、担当の榊先生には何度も相談にのっていただき、わからない点や納得できないことを一つひとつ丁寧に教えていただきました。先生のサポートを受けながら進めたこの授業を通して、私は「自分の感じた疑問を丁寧に言語化する力」の大切さを実感しました。
- 卒業して思う聖徳の魅力
- 卒業して改めて感じるのは、聖徳大学の看護学部で学べて本当に良かったということです。4年間を振り返ると、多くの先生方や、同じ目標に向かって頑張るクラスメイトに支えられていたと実感します。そして、卒業した今でもそのつながりに支えられています。講義や実習で疑問に感じたことをたくさん質問しても一つひとつ丁寧に対応してくださる先生方が多く、常に親身になって関わってくださいました。知識や技術だけではなく、人との向き合い方や看護職としての姿勢も学ぶことができた4年間でした。学ぶ環境、人との出会いに本当に恵まれていたと感じています。
- 現在の職業または前職
- 現在は、地域包括支援センターで保健師として働いています。主な業務は高齢者の相談対応で、介護保険や健康状態に関するご相談を日々お受けしています。個別の支援に加えて、地域の方々に向けた健康講座の実施や、地域づくりにも取り組んでいます。保健師としてはまだまだ未熟ですが、先輩方や関係機関、地域の皆さまに支えられながら、少しずつ成長を実感しています。制度だけでは解決できない課題も多くありますが、そうした現場で、一人ひとりの生活に寄り添いながら、個別支援と地域全体の仕組みづくりの両面から向き合える点に、保健師としてのやりがいと魅力を感じています。
- 就職して役に立った学び
- 就職してから、学生時代の学びがいかに実践に結びついていたかを実感しています。特に、大学のクラス担任制の中で経験した委員活動は、地域包括支援センターで働く今、大きく役立っています。私は2年次に副委員、3・4年次には正委員(委員長)を務めました。正委員は、クラスというチームを導く存在であり、副委員はその舵取りを支えるサポート役です。両方の立場を経験したことで、「引っ張る力」と「支える力」、そして「全体を見渡して調整する力」が自然と身につきました。地域包括支援センターの業務では、高齢者一人ひとりへの支援に加え、介護支援専門員、社会福祉士、医療機関など多職種との連携や地域全体の仕組みづくりも求められます。学生時代に培った調整力やチームで動く力は、今の包括的な支援の現場でとても役立っています。何より、相手の立場を想像しながら関わる姿勢や、誰かを支えながらチームでより良い方向に進んでいく感覚を、在学中に体験できたことは、包括保健師としての自分の土台になっています。
- 学生生活のなかでは、いろんな決断をしなければならない場面があると思います。進路、学び方、人間関係…迷うことも、悩むこともたくさんあるはずです。私自身、大学受験や就活で思うようにいかなかった経験があり、遠回りをしたと感じる時期もありました。でも今振り返ると、その一つひとつの選択が、自分を育ててくれたと思っています。大切なのは、“自分で考えて決めた”という経験を積むことです。それは、将来、どんな場面でもきっと自信になります。聖徳大学には、迷いながら進む学生に、寄り添ってくれる先生や仲間、環境がそろっています。立ち止まっても大丈夫です。自分らしい歩みを大事にしてください。その歩みが、思いがけない景色につながっていくはずです。皆さんの学生生活が、豊かであたたかいものになることを、心から願っています。






