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S.I

心理・福祉学部 心理学科 社会心理コース卒業/2019年

聖徳を選んだ動機
 オープンキャンパスで受けた心理学科の模擬授業が非常に興味深く、面白かったことがきっかけです。
 それまで漠然と捉えていた「心」という目に見えないものを、理論や実験を通して分析・解明しようとする姿勢に惹かれました。
 心理学とはもっと感覚的なものだと思っていましたが、「人間くさくて、でも論理的」。そんな学問の奥深さを感じ、「ここで学びたい」と思いました。

学生時代の思い出
 入学直後の志賀高原での合宿をはじめ、海外研修、シリーズコンサート、小笠原流礼法など、他大学にはあまりない体験型のイベントや授業が多くありました。
 正直、最初は「ちょっと面倒だな」と感じることもありましたが、今ではあの“ちょっとダルい”体験こそが、友人との笑い話になっています。
 また、心理学実験実習の授業も印象に残っています。授業時間は長く、レポートの提出も大変でしたが、クラスメイトと協力して取り組んだ時間は、今となっては貴重な思い出です。
 「つらかったけど、なんだかんだ楽しかった」という感想は、学生時代ならではのものだと思います。

思い出に残っている授業や先生
 末永(清)先生の「犯罪心理学」は特に印象深く、現地(栃木の刑務所)への見学は衝撃的でした。机上の学びが、ぐっと現実味を帯びる貴重な機会だったと感じています。
 また、矢口先生の「感覚・知覚心理学」も強く記憶に残っています。ゲーム形式でお題に挑戦するワークがあり、“聞くだけ”ではなく“体験して学ぶ”授業スタイルが印象的でした。
 隣の席の人と笑いながら課題に取り組んだあの時間は、今でも鮮明に思い出せます。

卒業して思う聖徳の魅力
 「やらなければならないことを、しっかりとやらせてくれる大学」だったと感じています。 一見自主的に学ぶ自由な場のようでいて、礼法やシリーズコンサート、海外研修など、“逃げずに向き合う学び”が必修化されており、卒業後に「あの経験があってよかった」と思うことが何度もありました。
 たとえば礼法ですが、当時は「これって何の役に立つの?」と疑問に思っていましたが、社会に出てからその所作が自然と身についていたことに気づき、ありがたみを感じました。
 シリーズコンサートも、今振り返ると「無料で一流の公演を観られたなんて」と驚くばかりです。 大学が「体験する機会」を与えてくれたおかげで、知らない世界に足を踏み入れる機会がもらえたと思っています。

現在の職業または前職
現在は、
日本電信電話株式会社(NTT)
NTTコミュニケーション科学基礎研究所
メディア情報研究部 信号処理グループ
にて勤務しております。

就職して役に立った学び
現在は、音声研究所にて研究員を支えるサポートエンジニアとして勤務しています。
 大学時代の専攻は知覚・認知心理学で、特に視覚や聴覚に関わる分野を学んでおり、その知識がまさに今の業務に直結しています。
 また、大学で自分から学ぶ姿勢を培えたことも大きな収穫でした。サポートエンジニアとして「人がどう感じ、どう動くか」を考えることは日常的で、心理学で得た視点や発想力は多方面で活かされています。
 加えて、メンタルヘルスマネジメントの知識も、社会人としての実務や人間関係において役立っていると実感しています。

その他
 在学中は、英語学習センター(※正式名称は失念しました)によく通っており、とても良い学びの場だったと記憶しています。今、職場で海外の研究者とやり取りができているのは、あのときの経験があったからかもしれません。
また、図書館もよく利用していました。論文や専門書はもちろん、話題の書籍も手軽に借りることができて、非常に便利でした。
 加えて、在学中に漢字検定も受験しました(現在も実施されているでしょうか?)。社会に出ると意外と手書きの場面があり、漢字が書けないと恥ずかしい思いをすることもあるため、地味ながらも役立っています。
 心理学部は、就職に直結する学部ではないかもしれません。けれど、聖徳大学には“社会につながる学び”がしっかりと詰まっていました。
 ぜひ、多くのことを学び、たくさん迷いながら、あなたなりの“使える学び”へと育てていってください。

在学生へのメッセージ

 学業やアルバイトで忙しい日々を過ごされていることと思います。
 「社会人にはお金はあるけど時間がない。学生には時間があるけどお金がない」とよく言われますが、今になって本当にその通りだと実感しています。
 今の時代、情報は簡単に手に入る時代ですが、自分の身体で“感じる”経験は、何にも代えがたい財産になります。今しかない「自由な時間」をどう使うかで、その後の人生の幅が大きく変わってくると思います。
 「いつかやる」は、たいてい“やらない”ので、興味のあること、少し面倒でも気になることには、ぜひ思い切って挑戦してみてください。どんな経験も、きっとあとで「話のネタ」か「人生のタネ」になります。
 好きなことに時間をかけて、多くを吸収できるのは今だけです。大学生活を、存分に楽しんでください。